ロストフォームライン:太洋マシナリー社製の設備で、谷口化成工業所の発泡模型を使用。他の鋳造方法では製造できない複雑な形状の部品を製造することが可能。環境に優しい鋳造方法であり、表面がきれいで精度が高いのが特徴だ。一部の部品に関しては、二次加工の必要がないほどの精度で作成できるため、難易度の高い部品の生産性が飛躍的に向上する。現在の効率は2,800トン/年だが、今後、効率を高めるためにラインに設備を追加することも可能。

ロストフォームライン。効率は2,800トン/年
現在、DISOCOの主要顧客の7割は日本企業であり、常に日本側が求める品質に応えている。「品質・価格・納期」の3つのファクターに加え、顧客満足度の高さにも定評がある。同社は顧客のニーズや現状を把握し、最適な提案をコンサルティングする。これはWin・Winの関係性の元、顧客の持続可能な発展を願望する姿勢の表れである。

DISOCO はねずみ鋳鉄とダクタイル鋳鉄の様々な鋳造加工製品を生産する
技術革新と3つの強み
すでに高い技術を有するDISOCOが、新しい生産ラインを導入した経緯について、ミン社長は次のように語った。
「近年、日系企業の生産拠点が中国からベトナムを含むアジア諸国に移されており、それに伴いベトナム国内の鋳造加工の需要が拡大すると予測しています。市場を先読みし、いかなる時でも顧客の要望に応えられるよう、この動向に備えています。
2つの新たな設備を導入する前に、既存設備を使用するより、むしろ新しいステージを追求するべきだと考えたのです。どうやったら量産と複雑形状品の製造を実現し、高い生産性による低価格化、不良率の低さといった要求を満たせるか。2つの最先端鋳造ラインが鍵となりました」

DISOCO の「自動生砂鋳造ライン」は年産 1 万トン。現時点でベトナム最大かつ最先端の生産ラインである
DISOCOはどのような差別化を図り、多くの日系企業から信頼を得ているのか。同社の強みとして、ミン社長は次の “3つの柱”を挙げた。
1/ 優秀な人材の配置:従業員850名のうち、160名以上のエンジニアが最適な部署に配置されている。さらに外資系企業からの技術指導によって、日々知識と技術をアップデートしている。
2/ 充実した品質管理:管理標準ISO 9001、IATF 16949、ISO 50001、ISO 14001を徹底して実施。これらの管理システムを実施する外注パートナーの協力も得ている。
3/ 生産ラインに最先端設備を導入:一貫生産体制を敷き、鍛造・鋳造ラインにおいて日本メーカーの最先端設備を導入し、生産性を高めながら高品質の部品製作を行っている。